♪海に連れてって
2017/7/21 23:30

8月になる前に、スタッフのみんなが海に泊まりで行きたい、等と云う訳ですよ。
でスタッフの梢と新アルバイトのあけみが怖がりなんで一寸、脅してやろうと思いまして…
「海に行ったら、海水に浸からなくても、絶対風呂入んなきゃいけないんだぞ」
って云ってやったんです。
「なんでですか?」
って二人とも云うんで、教えてやりましたよ…
「海にはな、臭い人大好きな男が棲み付いてるんだよ」
って云ったら…
「海坊主か何かの事?」

ってカナエが云うんで…
「昔な、すんごいクッサイ男がいて、家族からも、友人からも、奥さんからも嫌われるもんだから、悲観して海に身投げしに行ったら…」
「五味クリニックに行けば良い」
とかカナエが馬鹿な事を云うんで…(五味クリニックとはワキガ治療の病院の事)

「大昔の中国の話だぞ。…で、海に行ったら、物凄くクッサイ臭いの大好きな男がいて、付き纏われて、大層難渋したそうな…『呂氏春秋』にそう云う話がある」
「それも相当厭だな…」
とカナエが顔を顰め…
梢とあけみもイヤソーな顔をするので…
「ちゃんと撃退法もある!」
って云ってやったんですよ 。
「『閲微草堂筆記』に『壁の中の顔』って話があって…」

て話しかけたら、相当怖がってる顔をあけみがしたんで嬉しくなりましたね。
「寺で勉強してたら、後ろの壁からデッカイ人間の顔が出て来て…」
と雰囲気を稲川淳二の様に盛り上げつつ…
「 目が煌々と光ってるんで、肝の座った先生が『丁度蝋燭の火が消えそうだったんで助かったよ君』と平然と『顔人間』に話しかけて、壁に背中を向けて、朗々と書物を読み上げ始めたら…『顔人間』はその儘すーーっと壁に戻ってったんだって」

もうその時点であけみは相当怖がってる訳ですよ。
撃退法だ、って云ってるのに…
「でな、トイレにまで付いてくる訳。
で、肝の座った先生は平然と用を足しつつ…
『海には臭気を好むものがいると聞くが、君もその類いかね?』
って話しかけつつ…
うんこ拭いた紙で口を拭ってやったら、すっと消えて、二度と現れなかったんだってさ」
「ヤダヤダヤダ! そんな話聴きたくない!」
って、三人とも強烈な拒絶反応を示したんで…
まあ、それで、話はやめましたけどね。
以来、三人とも「海に行きたい」とか云わなくなりましたね。
line blog にはこう云う馬鹿な話がいっぱい載ってますが、移植するのが少々難しくてですね…